ドン・キホーテ
みどころ
勇敢で風変わりな老郷士ドン・キホーテは、バルセロナにある自分の城で中世騎士道の物語に出てくるヒロイン、ドゥルシネーア姫の夢を見て、姫を迫害者たちから守ることを誓う。 バルセロナの町—町民の祭の馬鹿騒ぎの中で、若い床屋バジルと楽しく踊る恋人キトリを見たドン・キホーテは、彼女をドゥルシネーア姫と錯覚し、自分のパートナーとして踊りに誘う。 ドン・キホーテの幻覚を面白がって支持する群衆の騒ぎに紛れてキトリとバジルは駆け落ちし、二人の後をキトリの父ロレンツォと彼が娘に無理やり結婚を強いる金持ちの貴族ガマーシュが、かっかっとなって追ってゆく。若い二人を救わんと、ドン・キホーテも従者サンチョ・パンサと、彼らの後を追って出かける…。 ドンキホーテの従者サンチョ・パンサは、他人から見たら狂人のように見えるドン・キホーテを「魂のだんなさま」と呼び、その澄んだ水のような魂の美しさをたたえます。 よき社会を夢見、理想と信念を持ち、行動する彼は、サンチョをはじめ、人々の心を打ち、夢や希望の大切な価値に気付かせてくれるのです。 純粋に夢を見、ロマンを語り、信念をもって行動することの美しさを、この作品では、明るく、みずみずしく描き出しています。
ストーリー
若者たちが群れ集うバルセロナの街の人気者、キトリとバジルは相思相愛。キトリの父親ロレンツォはキトリを無理やり資産家の貴族ガマーシュとの結婚させようとしている。 同じ街に住む「強きをくじき弱きを助ける」ことを旨とする中世の侠客の後継者を自任する老爺ドン・キホーテがまどろむ夢枕の中でドゥルシネア姫に出会い、近所の住人サンチョ・パンサを従者として姫を探す旅に出る。そしてにぎわう街の中でバジルと踊るキトリに見とれドゥルシネア姫と錯覚し踊りに誘う。その騒ぎの中若い二人は駆け落ちする。そのあとをガマーシュが、そしてドン・キホーテとサンチョ・パンサが追っていく。
モンテールの草原にある風車小屋を目指す恋人たちは、ジプシーの一座に捕まってしまう。後から来た、ロレンツォとガマーシュも、当然のように捕らえられ盗難に遭う。様々な智恵をめぐらせ逃げ出すキトリとバジル。そのあとを追うロレンツォとガマーシュ。風車を怪物と錯覚して立ち向かい、ドン・キホーテは大けがをするし倒れるが、夢の中でドゥルシネアに愛を誓い、また貴婦人を求めて旅立つ。 ロレンツォは是が非でも娘をガマーシュと結婚させようとするが、キトリとバジルはドンキホーテの力を借りて一芝居うち、ロレンツォにバジルとキトリの結婚を承諾させる。
再び街の場面。恋人は晴れて結ばれる。友人たちもお祝いに集まる。若いカップルに祝福を贈るドン・キホーテは、今もなお幻のドルシネア姫への想いを断ち切れない。ドルシネア姫にお尽くし申さんとサンチョ・パンサを供に、再び騎士道の冒険に旅立ってゆく。
