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『公益財団法人松山バレエ団・松山バレエ学校を救う声』

 
 
2020年6月3日(水)

                                      

『公益財団法人松山バレエ団・松山バレエ学校を救う声』

“2020感染症勃発時特別寄付金”

 の発足にあたり、ご支持、ご賛同、ご理解を求める為に、皆様方に謹んで

お願いと報告をさせて頂きたく存じます。

 

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このように東洋の古典にも芸術文化の本質と原理について明確に記されているように、人類は、文化によって人間同士のつながり・結ばれを喜びの炎でこがし続け、今日まで多様な文化芸術を生み育て創り、そのことによっても自分達を、屹立(きつりつ)した人間にしてまいりました。

公益財団法人松山バレエ団は、皆様方のご声援とご支持によって、70年越の月日を芸術の道に集中させることができ、森下洋子は、多くの人々の支えによって舞踊生活70年を、来年いよいよ迎えられることと相成りました。

ダブル70のその時でした。その間隙(かんげき)を、コロナ大事件が来襲して、非常にきびしい試練を届けてくれました。

本来ならば、新しくなったホテルオークラでダブル70の祝儀の宴を行う手はずになっておりましたところ、コロナ大事件の始まりの為、それを控えさせて頂き…この手紙をもってして皆様方に心からのお願いを致したく、皆様がコロナショックで困難をきわめているのを承知でこの報告と願いを聞いて頂きたいと思います。修飾をなくし、シンプルに素朴に申し上げたいと思います。

 現在、全く身動きのとれない芸術文化界の象徴(しょうちょう)シンボルでもある、松山バレエ団・松山バレエ学校を、どうか様々なお心づかいで励まし、盛り立て、ご支援、ご援助をもって救って頂きたいと素直にお願い申し上げます、と、あまりに直截的ではありますが、心から皆様方にうったえるものでございます。

加えまして、冒頭に記した、『公益財団法人松山バレエ団・松山バレエ学校を救う声』

“2020感染症勃発時特別基金“ を多くの方の支持と発声人様の強い意志に依(よ)らせて頂き、是非“この救う声の特別基金”を、皆様方の松山バレエの発展の礎とさせて頂きたく、発足にご賛同を頂きたいと心からお願い申し上げる次第です。

私共松山バレエ団は、現時点におきまして、このコロナ大事件で全てが切断され、完璧に身動きができません。

・・・公益財団法人松山バレエ団は、もう既に9~10回以上の公演が止められ、松山バレエ学校は現在、全ての学級が、状況をみてのクラスレッスン控えとなっております。

断たれた身体でもっても精神をはこび、やれることは全身全霊でもってやり続けております。多くの人々の為、その芸術文化の灯を消すことは絶対にやらないと全員で誓い、真理本質ではひとつにまとまり結び合わなくてはならないはずの芸術日常が、離れざるをえないシーンを迎え、日々それぞれが各々の個のステージに家待機して、鍛錬、訓練、修練に励み、愛する生徒の皆様とはITを駆使して電波で心がつながりベクトルを合わせることができ、レッスンお稽古をしてもらっている状態です。

しかしこの文化芸術は、実演という、現実・実際・リアル・今・只今・生きる一瞬・絶対性という、生で触れ感じる、目の前で生きる人間をつかまえるという方法を通してのみ多くの人々が寄り・集い・結ばれるという、人類存在の本質・原理原則・秩序原理の最もプリミティブな、なくては人間が存在することができない、この地上の真理の上に成り立っているものです。またその「今・リアル・実際・生きる一瞬・生に触れ感じ・・・!」ということを根幹としているので、人の感性・情緒・情感・情念・理性・理念が正しく、正規に、当たり前に生の人間的感性が研ぎ澄まされ、育まれ、検証され、成育し、成長し、高い精神の状態が創造され、挑戦の喜びを得て、たった今生きている幸福という人間最高概念を人の深奥に横たわらせることができて、ひとの歴史ができあがってきた、と信じております。

公立、私立の普通の小中高大学校が休校になったということは、ただ学校の敷地内や教室に入らずということだけで、決して学習・勉学というものを中断させてしまうということではありません。全く同じことで、芸術家達が劇場やお稽古場に入らず自宅待機するということは、芸術活動の意欲的な循環を止めるということとは全く異なります。それは全世界のグローバルスタンダードの認識であります。

私共、公益財団法人松山バレエ団は、「芸術は人を選ばず!」「芸術は美しさ、醜さ、美醜の差別の念を持たず」ということを信じ“芸術は人々の幸福の為にある”と信念をもって進んでまいっております。

芸術というもの自体は無色透明で、人間界にこれっぽっちも圧力をかけるものでなく・・・人間界の方が文化芸術を選んで色をくすませている―――と考えております。

それは、人間が自分さえよければ、と自分にとって都合のよいエゴイズムのテクノ・技術としてしか芸術文化をとらえられないところからくる、芸術文化からのしっぺ返しかもしれませんが、人類が正しく前に進む為、次々と湧き起こってくる時代、時代には、やはり大自然とこの地上界の真理から、芸術文化のまっとうなあり方を踏んでいく、変化につぐ変化、新鮮さにつぐ新鮮さと地道な営みが必ず必要だと、天から要望されていると思っております。

芸術は、悪者(わるもの)を処罰するという法律でもありません。また、曲(ま)がっている人を正していくという宗教でもございません。

芸術は、心に、「美しさ、醜さ、美醜(びしゅう)の差別の念」が全くないので、全ての人を、美しい心に立ち返らせる“気付(きづ)かせ”、を一瞬で理屈なしにしてくれる、偉大な力があることを、信じております。

人間だけが持っている、現在の水準を越え磨き上げ新しい価値を創りだす営(いとな)みと、更に高みを目指そうという夢・希望・ロマンへの限りない挑戦心や、命を賭(と)しても成し遂げようとする深い勇気は、人間が他の動物達と一線を画(かく)している証(あかし)であり、芸術文化そのものの愛の恵(めぐみ)です。人間が絶対的価値創造によって歴史を刻むことのできる生き物である証拠です。

人間の文化芸術の巨大な偉大さは、見返りを求めない、全く心に、「美しさ、醜さ、美醜(びしゅう)の差別の念」を起こさせないで、人間界に美の練習と発見、美の試練、美の蓄積・発現(はつげん)をさせてくれている、人にとっての極大な大義を持つ分野である、と思っております。

芸術というのは、まさに差別化の権化(ごんげ)たる仕事であるはずですが、私達はその仕事の、一番深い、奥まったところに鎮座(ちんざ)している「美しさ、醜さ、美醜(びしゅう)の差別の念」・・・・を全く持たない、という信念に立脚(りっきゃく)している素朴(そぼく)な自分達を舞台上で垣間見ることは日常的です。

このような事柄を常識的に知っている、ということを破り、芸術実人生の上で真剣に取り組んで昇華解決を得ようと必死にならざるをえない状態に追い込むことこそ、私達の稽古舞台日常なのですが、その源たる、人同士の切磋琢磨と一体化・連帯化が断ち切られるコロナ大事件を、私達は、逆説ではなく生涯の上でまたとない試練とつかまえて、進む所存でございます。

実を言いますと・・・松山バレエ団に集った全教職員団員社員は、本当に身と時を削り、何ひとつ国からの支えも、他からの補助も無い中、苦しさと困窮に耐え、条件も無い自分達を少しもふびんだと思わず、人類社会、お客様、そして愛する生徒の皆さんへ、もっともっと情愛を捧げるには、どうするのだ!!松山バレエ団の成果をたくさんの人々に届けるにはどうするのだ!!と、純粋さと血と汗と涙をためつつやってきてくれました。

 自らの全ての力を拠り所としてこの芸術大活動をやり抜いて、民間から沸き上がり、立ち上がろうとする世界市民のバレエ団を創るのが、松山バレエの目標でもあります。

その、心と肉体の奮闘努力の証が、2020年3月いっぱいまでの経済の指標のグラフが上昇し続けてきた線によってはっきりしております。

 皆様に今ここでお見せ出来なく残念ですが。

そして4月よりのコロナ大事件で・・・!

しかし皆様方!この松山バレエに集った有意の人々は絶対にめげず、くじけず、へこたれず、あきらめず、前へ脚を出し、少しでも前進して皆様に幸福を届ける役目をまっとうします。

 このコロナ大事件であっても、ひとつも皆様に心配をかけないで進んでいる松山バレエの経営が当たり前で、出来ないのは代表者の責任だとお叱りを受けても当然であります。

しかし、私はこの場をお借りしてでも、お伝えしなければならないことがございます。それは、松山バレエに集った教職員団員社員の全員のあまりに見事な、そして壮絶な奮闘を、是非皆様方に知って頂きたいと思います。

 自宅においても心はお客様、愛する生徒の皆さんといつも一緒であり、縦横無尽の精神の働きをITを使い離ればなれにならないよう結び付け橋渡しをして、常に普段と変わらないよう最高の努力を自宅から毎日長時間し続けてくれました。

 この時こそと団結と融和、経費の件、全員参加で自分達にできる善芸術活動を広め、新しい創造へとインプロビゼイションに尽くし、今まで以上の芸術文化活動の生産性を高める等々、本当に松山バレエ全員には、感激、感銘、感動の連続でした。

何年か、何十年か後振り返って、人間として恥ずかしくない生き方をしていくつもりであり、それ以上に、この時こそがはじまり!と考えやってまいりたいと誓っております。 

皆様方には、公益財団法人の寄付行為ということを超越して『公益財団法人松山バレエ団・松山バレエ学校を救う声』“2020感染症勃発時特別基金” として、一芸術団体がこの大氷河期を超え、振り返って感謝のほほえみを持つ・・・・という場面を踊らせて頂けたら、と不作法もかえりみず、切迫したお願いを致しました。

本日、目の当たりに申し上げている松山バレエの姿は、はっきり予期して実行している訳ではなく、一貫して底流に流れているのは、縦横無尽に展開してくる時代・世の中の変化の情勢に臨機応変して松山バレエを変えていっている姿そのものであり、もし全員が神業的バク転ができるならそのようにしているはずですがそれはかなわず、「孫子兵法」が気付かせてくれているように『人に常勢なし、水に常形なし』として「時代の変化に因り成果を取る、神と謂(い)うなり」とあるように、事柄の変化に合わせ良きを目指す。事柄が変わればこちらも変わり、そして皆様一同の幸福を掴(つか)む、というありさまを常に心がけてまいりたいと思います。

どうぞこの報告の主題である『公益財団法人松山バレエ団・松山バレエ学校を救う声』“2020感染症勃発時特別基金” を発足させ、その主題をより良く充実させ、皆様方に幸福をお届けする為、松山バレエのありのままを開示させて頂きました。皆様方のお力をどうかお貸し下さいますよう、切にお願い申し述べます。

目に見えない価値が満載で成り立っているこのクラシックバレエ・古典芸術は、目に見えない価値が満載で成り立っている人間を、数多く輩出してくれる、と信じております。

現在世界の精神が疫病や差別によって没落の危機に直面しているとき、これからの人類世界が、動かしがたい道徳性の気品を備え、時代と人間を永遠に救っていく、全ての人に公平な愛情に満ちた芸術の凝縮された文化、を望んでいくことは間違いのないことです。私ども松山バレエ団はどのような感染症や差別におそわれようとも、歴史に学び、今現在に学び、人類人間へ幸福解放をお届けすることを止めません。

敬愛する皆様方におかれましては、私共松山バレエの切なる願いをお聞き届け下されば幸いと存じます。

 

    

  2020年5月15日

  


公益財団法人 松山バレエ団
総代表      清水哲太郎
理事長・団長   森下洋子


 
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