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シンデレラ

演目詳細

シンデレラ  
作曲:S.プロコフィエフ
振付:清水哲太郎
演出:清水哲太郎
初演:1990年6月9日(東京文化会館)
舞台美術:川口直次
照明デザイン:外崎俊彦
衣裳デザイン:八重田喜美子
 
 

みどころ

清水哲太郎の台本・演出・振付によるこの物語はペローの原作に基づいて展開されます。時代をルイ14世の頃に設定して、 いかなる境遇にあっても人を愛する優しい心をテーマとしています。
幼い頃のシンデレラと両親の愛情にあふれたシーンをプロローグとして設け、「現状を素直に受け入れ、それを土台に強くけなげに生き抜こうとするシンデレラの、 人々への愛情を決して忘れない美しい心」を描く伏線としています。3人の男性舞踏手が演じる義母とその姉妹の滑稽味がスパイスとなって、 このバレエにユーモアと明るさをもたらし、魔法使いの老婆が<時の女王>に変わり美しい四季の精たちが登場して、 時のマジックに仕掛けられたシンデレラの人生に華やかな広がりと奥行きを与えています。
 
  みどころ
 
 

プロダクションノートより抜粋

天地が裂け、どのような災難に見舞われようとも、揺るぎのない信念を持ってその困難を乗り越えてゆく——私たちの想像するシンデレラは、心身の奥深く、魂からの澄み切った空気を途切れることなく放出する、“浄化の化身”でもある女性です。彼女は自分の置かれた劣悪な環境をも手玉に取り、それをポジティブで生の喜びに満ち満ちた小宇宙に変革してしまう威力の持ち主です。

 

 それというのもシンデレラの純粋な心は、幼少の頃よりの生みの両親から受けた魂に響きわたる人間的育成過程、そして彼女自身の性質によって、この世に生を受けた喜びで満たされていて、全ての人に宿っている神性が、身体の最奥から体のすみずみにまで最大限に発揮されているのでしょう。ですから彼女は人間に与えられた勇気と希望と行動力によって、どんなことが起ころうとも自分を憐れんだり、人を恨んだり憎んだりという感情に支配されず、天真爛漫に生き、純真さ、誠実さ、そして全てのものに対する愛を、自然と心のうちから発揮することの出来る人間だと考えます。
 
 
 
 
  プロダクションノートより抜粋
 
プロダクションノートより抜粋  
そのようなシンデレラだからこそ、「時の女王」(最上級神)が彼女の行為に人間を超えた霊力を見、神様の方が逆にシンデレラに納得させられてしまい、ある種の幸福を必然としてシンデレラに贈らざるを得ないことになるわけです。万人が“勤勉な愛”を持つシンデレラを認めざるをえないように、王子も彼女の純一なる魂に一瞬にして魅せられてしまいます。そんなシンデレラに義母と義姉妹は、いかにしてもがこうとも彼女の尊さ、正しさ、清らかさ、強さ、美しさに太刀打ちできない自分達を感じ、富・地位・名誉を求め、身辺を飾ろうとするのです。さらには優しさ・強さ・正しさに満ちたシンデレラは、王子と結ばれ王女となって境遇が逆になろうとも義母義姉妹への誠実さは変わらず、いつまでも共に暮らしてゆくのです。
 
 
新しい世紀を迎え、戦い・不正・コンプロマイズ(妥協)・不公平・馴れ合いの世界から、少しでも真実の世界へ…と歴史が大きく動いている今、この物語の意味と意義そして原理をもう一度新しい視点から見直すときが来たと思っております。時代を超え「シンデレラ」の本質は永遠に人々のユマニテ(人間性)の中に生き続けていくと確信します。