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眠れる森の美女

演目詳細

眠れる森の美女  
作曲:P.チャイコフスキー
原振付:マリウス・プティパ
演出・振付:ルドルフ・ヌレエフ
初演:1987年11月11日(岡山市民会館)
舞台美術:ニコラス・ジョージァデス
照明デザイン:外崎俊彦
衣裳デザイン:ニコラス・ジョージァデス
 

みどころ

1890年以来、世界中で愛され親しまれ続けているこの作品が、松山バレエ団のレパートリーに加えられたのが1987年。

 

チャイコフスキーの美しく、愛溢れる旋律に、R・ヌレエフ版の細やかで繊細かつ大胆な重きをのせ、さらにジョージアデスの奥行きのある荘厳で豪華な舞台美術、気品ある衣裳に身をつつんで、アーティストたちが繰り広げるこの舞台は、日本中でご好評いただいております。

 

近年、清水哲太郎は作品の中に「真・善・美」「愛・誠・調和」「利他の心」「無私の心」そして「人間精神の美しさ」の尊さなどを演出面の中に加え、この作品はさらに深く、人間味溢れ、人々に夢、希望、ロマンを与えるものとして、進化を続けております。

 

松山バレエ団が心魂を傾けて贈るこのスペクタクルバレエをぜひ一度、ご覧ください。

 
 

「眠れる森の美女」の寓意をめぐって

この作品は、チャイコフスキーの三大バレエの中でも、とりわけ見応えのある大作ですが、同時に大変強いメッセージを持っています。 ある霊的な力を受けて百年の眠りについたオーロール姫が、王子のくちづけによって目を覚ます…これがこの物語の骨子ですが、 その背後には、より深い真理があるのではないでしょうか。
この“百年”という時間には、ある寓意を感じます。マリウス・プティパの振付によって、1890年にマリインスキー劇場で初演された際には、 ロシアの帝室文化の栄光の世紀を意味する“百年”だったかもしれません。その初演から一世紀がたったいま、こうして眠りを上演すること自体が、 既に古典となっているこのバレエに、毎回新たな生命を与えることになります。
一方デジレ王子にとってオーロール姫とは、遠い過去より託された真・善・美の統一的な象徴です。彼は、リラの精という超越的な存在に接したことから、 霊的な完全性の幻像(ヴィジョン)を獲得します。この森の奥へと進む旅を通じて、宇宙の歴史を追体験し、自ら高まっていくのです。この王子の紀行は、 わたくしたちの携わる文化・芸術が進歩・発展するプロセスそのものを暗示しているように思われてなりません。
いま、旧き千年紀はその使命を終えて、新しき千年紀を迎えました。あたかも、淡水と海水とが入り混じる河口に、みのり豊かな漁場が立ちあらわれるが如く、 時代の大河が歴史の大海へと注ぐとき、宇宙は限りない滋養を湛えています。
「ここから大いに汲み取れ」という呼びかけが、耳を澄ませば、あの眠れる森のかすかな寝息の奥に、聞こえるようです。
 
  「眠れる森の美女」の寓意をめぐって「眠れる森の美女」の寓意をめぐって
 

2015年 眠れる森の美女(北とぴあ、神奈川県民ホール)公演情報

 

 眠れる森の美女