松山バレエ団

ご挨拶

バレエは、あらたな創造なくして何の面白味がありましょう。溢れるほどのエナジーを必要とする古典や新作の上演も、すべて創造の息吹がその根源の力となるのです。“創造こそ生命”、松山バレエ団と松山バレエ学校がこのテーマを追求して50年余。今、バレエを目指す若者たちが21世紀を舞台にのびのびと羽ばたいています。

バレエは舞台の空間に肉体を借りて、人間の心を飛翔させる芸術です。それを創造する場は音楽のボリュームよりもすさまじく、これでおさまるのかしらと思うほどのケンケンガクガク。激しい叱責と厳しい動きの中で酸素が欠乏して窓から口をパクパク、まるで、金魚のようにかわいい若者たち。時には深海の底で眠るような静けさの中で寡黙に踊り続ける若者たち。
どんなに前夜の舞台が遅くとも、翌朝早く「オハヨウ」と笑顔で稽古場に飛び込んでくる若者たち。舞台の上で観客から送られる拍手に、年中無休の猛稽古をもケロリと忘れて感激に浸る若者たち。一人一人の環境や生活スタイルが違っても、バレエの創造に手を取り合って励まし合う若者たち。若者たちは多くの先輩が築いたこのバレエの世界を大切にしながら、創造の灯をかかげて前へ前へと進もうと努力しています。この真摯な姿を見ると涙の出るような感動を覚えるのです。そして、バレエと人生は“創造こそ命”であることを若者たちと今一度、噛みしめたいと思うこの頃です。

清水正夫 松山樹子

Founders
松山バレエ団創立者・名誉団長
Honorary President
清水 正夫

松山バレエ団創立者・名誉芸術監督
Honorary Artistic Director
松山 樹子